子育てリレーエッセイ NO.4

「坂の上の憂鬱」

ちゃこ(和光市在住7年;和光市坂道歴16年)

あれは4年前の11月頃のことでした。生後3ヶ月になるかならないかの我が子をベビーカーに乗せ、「ちょっとヨーカドーまで足をのばしてみようかな」そんな軽いノリで、散歩に出かけた時のことです。
産後のダイエットには歩くのが一番とばかりに、午後の陽だまりの中、鼻歌を歌いつつ、新倉小学校前の坂道を下って行ったのでした。

和光市の北側をご存知の方なら「なんて無謀な」と思われたかもしれません。でも、駅に向かう坂道は、そのときの私には「いい運動になるわ」くらいのものに思われました。

久々のヨーカドーであちこち見て回り、授乳室であれこれと一連の作業を済ませ、そろそろ帰ろうかなと思ったら、時計はもう4時を回っていました。急いで夕食の買い物を済ませ、外に出ると、もうすっかり空気は冷え切っていました。
「やばい。」そう思ったときには、日が暮れかかっていました。猛烈にダッシュして、駅前の細い歩道を通り抜け、いなげやを過ぎ、外環側道を渡ったときです。
目の前には気の遠くなるような険しい坂道が私を待ち受けていました。

私は大学1年の夏休みのことを思い出しました。初めてぱーちゃん(現在の私の夫)に連れられ、新倉コミセン(コミュニティーセンター)に卓球に行ったのです。
そのとき、ぱーちゃんの自転車の荷台に横座りし、この坂道にさしかかりました。下りにさしかかると、ぱーちゃんはものすごい勢いで自転車を飛ばし始め、私は荷台から振り落とされそうになりました。必死に背中にしがみついたものの、私はあえなく荷台から放り出されました。今まで、坂道とは無縁の生活を送っていた私には衝撃としか言いようがありませんでした。

「なんで、デートしに来て放り出されるの?」
この疑問はそれからも和光市に来るたびに続いたのでした。

私の目の前にはあの坂道があるのです。私はひるみました。なぜなら、ヨーカドーで、牛乳やりんご、トイレットペーパーなどをしこたま買い込んでしまったからです。
日はすっかり暮れてしまい、寒さはいっそう厳しくなりました。
かわいいぴー様(現在4歳♂)に風邪をひかすわけにはいきません。意を決し、坂道を下り始めました。買い物の重みと下り坂の重力とで私は適正なスピードをキープすることができません。何とか踏ん張って坂を下りきったと思うや、今度は押せども押せども上り坂を上ることができません。
歩道の段差を上るのですら、やっとのことでした。新倉小の曲がり角を曲がると、もう気力もうせてきました。しかし、さらに追い討ちをかけるように、細い路地をトラックや乗用車がやってくるではありませんか。

それからのことはもうご想像がつくことと思います。家に着いた私はもう夕食を作ることもできませんでした。
駅から歩いて15分。そんなにたいした距離じゃない。でも、和光の坂は半端じゃありません。下るだけならいいけど、下って上ってまた下る。
健康には良いでしょう。確かに、段々畑を望む景観はとても気持ちがいいものです。でも、車なしではとっても苦しい和光の子育て。みなさんは元気に歩いていますか?

(実はママチャリ編、チビチャリ=ちびっこ自転車編もあるけれど、続きはまたの機会にね・・・・・。) 

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